ブログ内のグラフデータについて

このブログに掲載されているグラフは、おもにインターネットや公文書などの公開データを基にブログ主が作成しています。パソコンソフトの練習がてらの作成なので、出来については保証しませんが、以下の2点にご同意できるかたは、自由に使われて構いません。(ただし、転載不可とあるものは除きます)
利用条件1「営利目的に使用しないこと」
利用条件2「使用時に、一次データの出典を明記すること」
     
(出典はグラフ内に明記してあります。当ブログ名の記載は不要です。)

ブログ中の画像は、PNG,JPEGフォーマットを主に使用しています。
未対応のブラウザだと表示がうまく行かないかもしれません。

2009年7月13日

またまた動物ネタm(_ _)m

しつこくて済みませんが、2回続けて動物ネタです。完全に趣味ネタ。オチ無しです。

今回は、出勤中やら休憩中に見かけた身近な鳥の写真。子育てのため餌探しに忙しく飛び回るせいでしょうか、春先よりも見かける機会が多いようです。

まあ、どんだけ田舎に住んでんだと呆れられるかもしれませんが、いいじゃないですか。



定番のマガモ親子。ヒトを警戒しないため、ゆっくり観れるのがよいです。




これはアカゲラの親鳥。巣が通勤中のバス停のすぐ近くにあるので、ヒナが巣立つまではほぼ毎日見かけました。




こっちはホオジロ。バッタらしきものをくわえてました。やっぱりヒナの餌なんでしょうか。




近所の電線に巣をかけているスズメです。小虫をくわえてますが、ちょとわかりにくかもしれませんね。



電線の保護カバーが巣になってます。




「スズメの少子化、カラスのいじめ」(安西英明著・ソフトバンク新書)という本によると、スズメは、春〜夏にかけ2回、3回と産卵をくり返すことがあるそうです。ちなみにこの巣は、これが2巡目の子育て中。せっせと涙ぐましいくらい頻繁に餌を運んでました。

どうでもいい知識かもしれせんが、同書によると、スズメの産卵数はだいたい5個で、孵化までは約12日、その後2週間で巣立ち、しばらくは親鳥の後を付いてまわり餌をもらいますが、10日程で自立するとのことです。

これはかなり前のですが、親子スズメの写真。どっちがヒナが判ります?



右側のほおの斑紋が淡いのがヒナ。左の斑紋がはっきりしているのが親です。
この時期、ヒナは親の後をピッタリついて飛び回り、目の前に餌があっても自力では食べず、親が口に運んでくれるのをひらすらせがみます。でかい図体とのアンバランスが面白いです。
2羽で飛び回るスズメに注意していると、けっこう見る事ができます。って、そんなことにわざわざ注意する人はあまりいないかもしれませんが。(笑)


最後に、紅輪(コウリン)タンポポとニセアカシアの花の写真。北海道では野にフツーに見かけるありふれた花ですが、わりと綺麗に撮れたので載せてみました。



2009年7月7日

また動物ネタm(_ _)m

興味のないかたごめんなさい。

最初に残念なお知らせ。円山動物園のオオカミの繁殖はうまくいかなかったようです。(=>飼育員さんのブログ
あんなに励んでいたのになぁ、残念です。来春に期待。それとも、R.E.D.の岩城鉄生の出番とか?

それはともかく、春は繁殖のシーズン。まあ大抵の禽獣は、食料豊富で子育てに適した春夏めがけて交尾〜出産・産卵するので当然というか自然なことなんですが、ホッキョクグマ以外も動物園は出産ラッシュだそうです。

で、先日公開されたユキヒョウの赤ちゃんの写真です。動物園の飼育員さんのブログもお勧めです。







フワフワでポンポンで可愛いですね。個人的には、撫でてみたくてウズウズします。5〜6針程度の外傷なら全然OKなんだけど。



ホッキョクグマの双子も元気です。生後7カ月ともなると、さすがに赤ちゃんとは言えませんが。

3カ月前は、こんなだったのが、


今は、こんなに大きく。


でも、まだまだ甘えます。




おしまいに、エゾジカ(牡)の頭部の写真。

今年の5月。


6月。


で、7月。こんなに伸びるのが早いとは知りませんでした。ちょっとびっくり。


このように、春〜初夏の動物園は変化があり賑やかで、楽しめます。ただ、暑さで、大抵の動物がぐったり寝ていることが多いので、動いてないとつまらないというかたには不満かもしれません。ただ、可愛い、楽しいではなく、旭山動物園ので知られる「行動展示」や、レクチャーなんかもあるので、理解は深まるかと。
年間パスポート1000円はお得感が高いです。
個人的には、関連図書の閲覧コーナーがあると、もっと楽しいのですけど。




おまけ。園内の雑草を刈って飼料を調達する飼育員さん。冬場は野菜を購入しないといけないので、この季節は現地調達でコスト削減だとか。頑張れ!。

2009年7月6日

グラフで見る OECD Health Data 2009

OECD Health Data 2009年版が出ました。Excelデータはここから。

「グラフで見る OECD Health Data 2007-医療資源の国際比較−」
「グラフで見る OECD Health Data 2008」
というエントリーを立ててましたので、今回も更新してみます。

1年かそれらで急に変わる訳もないですし、新味はまったくありませんが、よければご覧ください。




「GDPあたりの医療費(2006)」



「国民1人あたりの医療費(2006)」



「OECD各国の人口千人あたりの医師数(2006)」



前回エントリーと同じく、5年前と比べての増減率のグラフも作ってみました。今回は2001年と2006年との比較になります。


「医療費(%GDP)増加率(2001-2006)」



「国民1人あたり医療費(米ドル)の増加率(2001-2006)」



「人口千人あたり医師数の増加率(2001-2006)」



平均に及第する項目が全くない日本。 (社会保障費限定)ケチケチ大作戦絶賛展開中といったところでしょうか。

ssd様のエントリーskyteam様のエントリーのような面白い含蓄のあるコメントは書けないので、今回はグラフだけのエントリーとします。(ヤル気なしの完全手抜きモードですみません)


ところで、このブログのグラフはアップル製オフィスパッケージの“iWorks”中の“Numbers”というアプリで作成してますが、先日、iWorks'08から'09にアップグレードしました。個人的にはお勧めです。
というか、前バージョンのNumbersはやたらと重く、intelMacでも、たった100行程度のデータのグラフ化でレインボーカーソルが回転しっぱなしということがしばしばで、仕方ないので、予めExcelでデータをグラフ作成用に整理してからNumbersに渡すという二度手間をかけていました。新バージョンで、やっとまともになりました(といってもExcelよりはまだ重いけど)。新機能がどうこうより、これが一番の利点だと思います。(前バージョンがタコすぎだったというだけかもしれませんが)

2009年6月10日

「その他」という死に場所

ちょっと前の話になりますが、5月24日のBS11デジタル「本格政策対談 堂々たる日本」が、医療問題がテーマだったので、途中からですが見てました。

松田喬和・毎日新聞論説委員、与謝野馨・財務・金融・経済財政相という顔ぶれで医療を語るというので、本気で聞いていいものやら迷いましたが、番組中、ちょっと気になる内容のフリップボードが出て来たので、今日はそれをネタにエントリーを書いてみます。

元データは厚生労働省老健局の資料らしいのですが、厚労省のHPからは見つけられなかったので、全国社会保険協会連合会「社会保険介護老人保健施設の今後の在り方検討会 報告書」に引用されていたのを孫引きします。

これが、その資料。

「今後の看取りの場は?」

※他文献からの引用のため転載不可

このグラフは、年間死亡者数が現在の約100万人から2030年に約160万人超に増加すると予測される中、どういう看取り場所(=死に場所)でどれくらいの国民が死を迎えるかを厚労省老健局が推計した結果です。2030年に、89万人は医療機関で死に、9万人が介護施設(老健・老人ホーム)、20万人が自宅と推計され、それらのキャパシティを越えはじき出される「その他」が47万人に達するという内容です。

死亡数が病院・介護施設・自宅の収容能力を超え、47万人が、その他のいずこかで死を迎えることになるというのは、ちょっと怖い想像です。本当でしょうか?
そのまま鵜呑みにするのもなんなので、遊び半分ですが、自分なりに試算してみました。


以前のエントリーで使ったグラフですが、たしかに2030年代をピークに、今後死亡数は増加するとの予測があります。

「出生数・死亡数の推移(1900〜2105年)」



死期が近いかたを受け入れる施設に十分余裕があるのなら問題はないのですが、逆に余力がほとんどなければ、往き行き場所が不足するだろう、くらいのイメージはなんとなく湧きます。

さて、では先の老健局の推計グラフの検証(みたいなもの)です。

この厚労省の推計は、いくつかの仮定に基づいています。
  1. 医療機関の病床数の増加が無い。
  2. 介護施設(老健・老人ホーム)は、2倍になる。
  3. 自宅死亡は、1.5倍になる。

まず、これらについて考えてみます。

1.「医療機関の病床数の増加が無い。」


厚労省の「病床は増やさない」決意表明ですね。(笑)
推計では、医療機関での死亡数が、2005年時点の年間約89万人のまま、その後も続くとされています。

しかし、2006年の医療制度改革関連法案で、厚労省は、療養病床を2012年度末までに18万床削減するという方針を打ち出し、国会も承認しています。(その後16万床に修正)
また、それ以前から病床数は減少傾向が続いていますし、2005年以降も減少が続いています。
こういった病床の継続的な減少については考慮されていないように思えます。


「一般および療養病床数の推移(平成13年〜21年)


「総病床数の推移(平成17年1月〜21年1月)


上のグラフに見られるような一貫した減少傾向は、長期・中期的な種々の因子の結果であろうと思われますので、一部を方針転換(医師数を増やすとか、病床削減方針を撤回するなど)をしたとしても、直ぐには変わらないと想像します。ましてや、病床削減、社会保障費抑制をやめる気配は伺えませんから、今後も減少すると考えるのが自然でしょう。

という訳で、病床減少を予想してみました。

「病床数(一般+療養)の推計」

このため、
  • 今後、病床数は上記グラフの如く変化する。
  • 「病床あたりの看取り数」は変わらない。※
という仮定を設けて、医療機関での看取り数を推計し直してみることにします。

※『「病床あたりの看取り数」は変わらない。』については、異論もあると思うので、最後に補足します。



2.「介護施設(老健・老人ホーム)は、2倍になる。」


これについては、肯定も否定もする資料も見つからないので、このまま使うことにします。
老人ホームが介護施設に含まれていますが、多分、この老人ホームは、特養(特別養護老人ホーム)のことで、有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅、グルームホームは含まれないと思います。

なお、厚労省の推計では9万人となっていますが、厚生労働省人口動態調査データベース「死亡の場所別にみた年次別死亡数」によると、2006年時で、老健8,162人、老人ホーム25,472人で、合計しても33,634人です。2倍にしても、67,268人と、9万人にはなりません。
推計値に他の資料を使った可能性も否定できませんが、今回は、約7万人を推計値として用います。


3.「自宅死亡は、1.5倍になる。」


これも、肯定も否定もする資料も見つからないのでこのまま使うことにします。このあたりは、社会福祉政策や労働政策、住宅政策の影響を受けると思いますので、政府次第なので予測は難しいですね。



で、以上を勘案して計算してみた結果が、次のグラフです。


「看取り場所別の死亡数の推計」


厚労省の推計と比べ、医療機関での死亡が16万人減り、「その他」での死亡が17万人増えて60万人になりました。うわー。


この「その他」ってどういう場所なんでしょうね。いろいろ想像してしまいますが。

介護情報ネットワーク協会のHPから引用します。

看取れる居住系施設の整備を 〜厚生労働省〜

 厚労省老健局鈴木康裕老人保険課課長は22日、今後の高齢者数の増加に伴い、看取りの場所場少なくなるとの推移を示した上で、「今は有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅が少ないが、今後爆発的に増やさないと看取る場所がない」と述べた。今後は居住系の施設を増やすべきとし、療養病床の介護老人保健施設への転換の他、高専賃などの増加も必要との認識を示した。第3回国際医療福祉大学総研フォーラムで講演した。

 鈴木課長は、2030年時点の看取りの場所に関する推計を紹介した。現在の高齢者の死亡場所は、自宅が1割程度に対し、病院や診療所が8割強となっているが、 30年時点で医療機関は病床数の増加なし、介護施設は現在の2倍を整備、自宅での死亡を1.5倍と設定すると、約165万人の死亡者のうち医療機関での死亡は約89万人、自宅約20万人、介護施設約9万人、その他約47万人となる。鈴木課長は「死に場所がない人は47万人いる。実際には老老世帯や高齢者単独世帯が増えると自宅での死亡が難しいため、恐らくこれ以上になるだろう」と介護難民が増加する事を予測した。

 高齢者の住居状況に占める介護保険三施設の割合は3.2%と他の先進諸国と変わらないものの、リタイアメント・ハウジングなどの高齢者住宅は他国が4〜 5%程度あるのに対し日本は1.1%と少ないため、「高専賃など(の割合)をかなり膨らませて、5%程度にしなければならない」と療養病床を介護老人保健施設等に転換する他に高専賃などを増やしていく事が必要とした。

■ 医療機能強化の報酬は転換型老健に限定

 社会保障審議会介護給付費分科会で現在、転換型老健の報酬体系を議論しているが、鈴木課長は「来年は介護報酬を一部改定するが、介護療養病床は老健プラスアルファに転換して(給付費が)減る分で充当する」として、現行の介護保険財政の範囲内での改定にとどめるとした。既存の介護老人保健施設が医療機能を強化した場合に転換型老健と同様の介護報酬を得られるかどうかは「2012年3月末には介護療養病床が制度としてなくなる。その人たちが不安なく移れるようにしたい」と、あくまでも転換型老健に限定する事を強調。「看取りなどについて、今の老健でもやっていると言う声は聞いている。そうした実態があれば、今後自治体などと議論して検討したい」と、療養病床再編までは検討しない方針を表した。
(2007年10月30日 介護情報ネットワーク協会)

はい、なんとなく見えてきましたね。
ザクっと要約すると、
  1. 病床は増やさない。
  2. 介護保険財政を喰う介護施設(老健・特養老人ホーム)は2倍増までに抑える。
  3. 全廃予定の介護療養病床は、転換型老健に移行してもよいが、その介護報酬は現在の介護財政内に収まるように抑える。
  4. 足りない分は、有料老人ホームと高齢者専用賃貸住宅(=自費で入居する施設)を爆発的に増やしていく。

ということで、
つまるところ、「国が金を払う施設は増やしたくない」ので、「自費で民間施設に入ってね」というのが本音なんでしょう。ああ、利用しなくても死ぬまで介護保険料はしっかり払ってね、いうのも忘れてはいけませんね。


ところで、有料老人ホームや高齢者専用賃貸住宅ですが、民間型施設ですから入居するにはそれなりの費用がかかります。
2008年の週刊東洋経済の特集「ニッポンの老後」記事によると、月額基本使用料が11万円〜45万円です。
入居一時金も、0円の施設も一部にありますが、多くは数百万円〜数千万円(2億円というのもあるそうです)です。
誰でも入居できる、はずありませんよね。
また、有料老人ホームの中でも、介護付き有料老人ホームは総量規制がかけられ、今後は大幅増は期待できないと聞きます。60万人の受け皿となるほど爆発的に増えるとは思えません。



では、どうなるのでしょう。

ひとつは、低料金の無届け有料老人ホームが増えるだろうという想像。
劣悪な環境の介護施設や老人ホームは、今でも問題になっていますが、“他に受け皿が無い”から黙認されて増えて行くのかもしれません。年金や生活保護費で入所できるけど、その分、住環境は最低レベル。形を変えた姥捨て山でしょうか。


もうひとつは、ちょっといやな想像。
こういう時にしわ寄せが行くのは弱い立場の所と相場が決まってます。


この場合、やっぱり病院なんでしょうねえ。
大抵の人は、死ぬ前には、なにかしら病気になったり、食べれなくなって衰弱したりするので、病院に入院する可能性があります。で、入院したあと、介護施設に空きが無い、自宅へ戻っても自立できない、或は介護してくれる家族がいないので家へ帰れない、等々の理由で退院できず、そのまま病院でお看取り。
結局、他に受け皿がなければ、なし崩し的にそうなるんでしょう。

まあ、そうなりそうな受診者を事前に的確に判別し「受け入れ拒否」、病状が回復したら、家の事情など病院の知った事かと即「退院」させるような “Cool head, iron heart” な病院は、免れるかもしれませんが。



で、ここで最後に補足すると言いました『「病床あたりの看取り数」は変わらない。』という仮定の再登場。長文ですが、これで本当に最後です。

計算し易くするため、この仮定で推計しましたが、「病床あたりの看取り数」が増える可能性はないでしょうか。(かなり自虐的な想像ですが)


次のグラフは、年間入院患者数と病床数の推移を表したものです。

「年間入院患者数および病床数の推移」

病床は減っているのに、入院患者は減るどころか増えてますね。
病床あたりでグラフ化すると、もっとはっきりします。

「1病床あたりの年間入院患者数の推移」


同じことが、看取り数と病床数についても見られます。


「医療機関での看取り数および病床数の推移」


「1病床あたりの年間看取り数の推移」

病床あたりの入院患者数、看取り数、いずれも増え続けてます。一体どういうカラクリでしょう?
医療者の皆さんはご存じですね。
これは、病院経営の効率化の成果と思われます。

例えば、入院期間の短縮(在院日数の短縮、とも言います)。
どういうことかというと、例として30日の入院治療が必要だった疾患があったとして、この入院期間を15日に短縮できれば、30日間に2人入院させれます。10日に短縮できれば3人です。病床が減っても、在院日数を短縮して期間あたりの入院数を増やすことで、入院数や看取り数を増やすことは可能です。
病院収益につながるので、勤務医をしていると病院側からのプレッシャーは相当なものです。

しかし、勤務医の立場から見ると、30日で1人の治療をしていたのが、30日で2人、3人となり、その分業務量も2倍、3倍に増えることになるので、勤務がどんどん辛くなります。入院増に合わせて勤務医も増員されればいいのですが、無い場合は、医療者の燃え尽き、注意力低下による医療事故、過労死などが問題になります。で、増員は大抵ありません。


まあ、そういうことで、病床あたりの看取り数が増える可能性はあります。在院日数をさらに短縮し、病床の回転をもっと高めることが出来れば、病院で看取れる数はもっと増やすことができるかもしれません。
ただし、そのためには、勤務医は今でも十分すぎるほど過酷ですが、それ以上に過酷な勤務に耐えなくてはならず、一方、後方病院的な役割も担っていた療養病床が減り転院も難しくなっているなど環境は悪化しています。非常に困難な選択でしょう。

絶対無理だと思います。


でも、この困難な選択を強いられるかもしれないのは医療者で、政府でも患者でも報道メディアでもありませんし、痛みを受けるのも医療者だけなので、やっぱり病院にしわ寄せが行くんでしょうねえ。
そうなると、やっぱり医療崩壊・・・・かなあ。

2009年6月3日

理由はなんでもいい

今年の3月。

社会保障費「2200億円抑制」見直し、財務相が表明

 与謝野馨財務・金融・経済財政相は26日の参院予算委員会で、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制する政府方針を見直す方針を表明した。6月ごろに経済財政諮問会議(議長・麻生太郎首相)で取りまとめる政府の経済財政運営の基本指針「骨太方針2009」に反映。年末の2010年度予算編成で具体化される見通しだ。

 財務相は年2200億円の抑制方針について「自民党も民主党もほかの政党もこの点は(見直す方向で)ほぼ一致しているのではないか。一致していれば政策はおのずとそういう方向にいく」と述べた。民主党の蓮舫氏への答弁。

 小泉内閣の06年に策定した骨太方針は、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の11年度黒字化実現に向け、歳出項目ごとの抑制方針を明記。年1兆円の自然増がある社会保障費を2200億円ずつ抑える方針は公共事業費の年3%削減と並ぶ歳出削減路線の象徴だった。(00:58)
(2009年3月27日 日経)



そして、4月。

社保費自然増の2200億円抑制継続を示唆

 「全体の歳出改革のところは『骨太2006』の線に沿ってやっていくということは、全体の雰囲気だろうと思っている」―。4月17日に開かれた政府の経済財政諮問会議後の記者会見で、与謝野馨財務・金融・経済財政相は経済財政改革の基本方針「骨太の方針2009」に関して、社会保障費の自然増2200億円の抑制を継続していくことを示唆した

 与謝野財務・金融・経済財政相は会見で、「2200億円という話は象徴的な数字として議論されているが、誤解していただきたくないのは、今ある社会保障費から2200億円を切るという話ではない」と強調した上で、「高齢化などで必要な社会保障費は当然認める。しかし、その中でも倹約や効率化を進めて、 2200億ぐらいは増える分から切っていこうということだ」と述べ、自然増の抑制を容認する考えを示した。
(2009年4月17日 CBニュース)



で、今はこう。

財政審建議:「診療報酬も抑制を」 民間賃金低下を考慮

 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)が10年度予算編成に向け、3日に与謝野馨財務・金融・経済財政担当相に提出する建議(意見書)の全容が2日分かった。10年度に改定予定の診療報酬について、「民間賃金や物価動向を十分に踏まえ検討する必要がある」と、景気悪化による賃金や物価の低下を反映させ、報酬も抑制すべきだとの提言を盛り込んだ。

 診療報酬は、医療機関などが診療などへの対価として受け取る報酬。医師の技術料などの「本体部分」と薬価に分けられ、2年に1度改定される。前回の08年度の改定では、本体部分を0.38%増と8年ぶりにプラスとした一方で、薬価は1.2%引き下げたため、診療報酬全体では0.82%減と4回連続のマイナスとなった。

 日本医師会などは、「医師不足などの医療危機は医療費の削減が原因」と、診療報酬の引き上げを求めている。これに対し建議は、「医師が真に必要とされる部門に適正に配置できていないことが大きな要因」と指摘し、地域や診療科ごとに開業医の定員を設けることなどにより、医師の偏在を是正することが医師不足の解消につながると訴えている。【平地修、谷川貴史】
(2009年6月3日 毎日新聞)


社会保障費が賃金・物価と連動しなきゃならないというなら、税や公共料金もそうしたら、と思うのですが。まあ、社会保障を削る理由なんて何でもいいんでしょうねえ。

「診療報酬」という名称ですけど、医療施設の保険収入のことを診療報酬というのであって、医者の賃金のことではないんですけどね。
この診療報酬の中から、賃金(人件費)、医療機器や薬剤、備品の費用、光熱費、施設の維持管理費などをまかなうので、診療報酬=収益でもありません。インフル報道でテレビに映っていたマスクや防護服、ゴーグルなどや、怪我で病院にかかったときに巻いてもらう包帯も、国からは診療報酬として支払われない100%病院の支出になる代物です。

民間企業に例えるなら、
「診療報酬」=「売上高」
であって、

「診療報酬」=「賃金」・「医者の給料」でもないし、 =「営業利益」でもないんですが。

不景気だから「診療報酬」を減らせ、というのは
不景気だから民間企業に売上を減らせ、というのと似た感じでしょうか。

もう、勝手にして。

2009年6月1日

出勤中の一コマなど

お気楽エントリーです。

中年メタボ対策も兼ねて、このところ出勤時に一駅歩いているのですが、長年の通勤路なのに全然気がつかなかったものが結構あり、ちょっと驚いたりしてます。

で、先日、高い梢の先で鳴いてた鳥を撮ったのがこれ。




コンデジのズーム&トリミングなので粗さはご容赦。
スズメに似てますが、顔の模様が違います。

参考までに。スズメはこんなの。


調べたら、ホオジロという鳥でした。ごく普通の野鳥だそうです。
「一筆啓上、仕り候(いっぴつけいじょうつかまつりそうろう)」と鳴くというアレです。
全然そうは聞こえませんでしたけど。


で、今朝は、こんなのを見かけました♡。



何かを狙って、ジャンプ。足が黒靴下をはいたように真っ黒なので、多分まだ子ギツネです。



何か捕まえたっぽく、後ろのが覗き込んでます。

一日の始まりにこういうのを見れると、ちょっといいものを見たなあと楽しい気分になるので、なかなかいい感じです。

2009年5月30日

グラフで見る 医療施設数・病床数の推移

というタイトルにしてみたけど、中身は過去エントリーの部分更新だったりします。
=>「グラフで見る 療養病床と患者の行方(1)」

そのエントリーでこんなグラフを描きました。
出典は、厚生労働省の「医療施設動態調査(平成**年*月末概数)」という月報です。

「一般および療養病床数の推移(コメント付)」



なんのグラフかというと、病床(入院ベッド)数の推移を示したものです。

政府は、平成13年度から、病床を急性期疾患に対応する「一般病床」「療養病床」(病状が固定して長期に渡って医療介入を要する慢性期疾患が対象。認知症や脳卒中の後遺症が高度なケースなど)に区分しました。目的はいろいろあったそうですが、療養病床の診療報酬を出来高払いから定額にすることで医療費を抑制することが眼目の1つだったと理解してます。

療養病床の認可を受けるには病室面積や通路幅、エレベーターの規格まで細かい規定があって、それなりの設備投資が必要ですが、一般病床に比べ医師・看護師などの医療スタッフが少なくて済むことや、社会の高齢化で慢性期疾患の増加が予測されることから、急速に療養病床が増加しました。
ただし、グラフの通り病床の総数は減少しており、療養病床が新たに作られたというより、一般病床から療養病床への転換が進んだというのが実情だったと思います。

平成18年には療養病床は38万床を超え、ピークを迎えます。(資料では平成18年2月の38万1840床が最多)

なぜピークだったかというと、平成18年6月の「医療制度改革関連法案」で、政府は療養病床の削減へ大きく方針転換をしたためです。
目標は、平成22年度末までに療養病床を22万床にまで減らすこと。(当初は15万でしたが平成20年に22万床に目標値が変更されました。)

病床38万=>22万/4年間。 16万床/4年間=年4万床削減という大転換です。
これによって、政府は医療費が年間4000億円節約できると試算したそうです。(目標が15万床だった時の話です)

その後、療養病床に未来がないと知った病院は、倒産したり、廃院したり、病床を無くして診療所になったり、一般病床に転換したりしたので、療養病床は徐々に減ってきました。
といっても、2年間で僅か2万床というローペースです。このままだと、期日までに削減される病床はせいぜい4万床程度と思われます。

僅か2万床と言いましたが、2万床減っただけで、「医療・介護難民」「医療崩壊」などが誌面を賑わすような状況ですから、本当に16万床減ったらどうなるのか・・・。

ちなみに、これで節約できる予定の4000億円の価値ですが、最近の政府の税金の使い方を見ると、
  • 地デジ化対策:2000億円(3年分)
  • エコポイント:3000億円
  • 高速道路料金千円:5000億円
  • 定額給付金:2兆円
という感じなので、今後はこういうことの埋め合わせに回るのかもしれません。


長くなりました。で、次のが更新したグラフです。1年分データが溜まったので描き直してみました。

一般および療養病床数の推移(平成13年〜21年)


えーと、あんまし変わりません。せっかく描き直したのに(泣)。

なので、変化を強調するために、過去4年分だけで別にグラフを描いてみました。
ちなみに、表にするとこう。
データ数が多いので、毎年1月のだけ表にしてます。

医療施設数・病床数の推移(平成17年〜21年)


最初のは療養病床のグラフ。
政府の方針転換で平成18年以降減少しているのは、前述の通り。

「療養病床数の推移(平成17年1月〜21年1月)



で、22年度末が期限の削減目標を描き足したのが次のグラフ。
悪ふざけじゃなく、政府方針だと、マジこうなります。

「療養病床の推移見通し?



お次は、一般病床のグラフ。
平成18年に一旦増加してますが、療養病床からの転換分だと想像してます。でも無理だったんでしょうね、その後は減少しっぱなし。

「一般病床数の推移(平成17年1月〜21年1月)」


なので、当然、病床全体だとこうなります。


「総病床数の推移(平成17年1月〜21年1月)



病床でなく、医療施設ごとの数もグラフにしてみました。

まずは、病院の数。

病院数の推移(平成17年1月〜21年1月)


ずーっと減少傾向なのですが、平成18年度以降、減少スピードにはずみがついた感じです。
平成18年度に一体何がっ?(棒読み)


で、病院数は減ってますが、病床数はどうかな? というのが気になったのでグラフにしてみたらこうでした。

「病院病床数の推移(平成17年1月〜21年1月)

平成17年度は増えていたのが、一転して18年度から減少に転じます。平成18年度に一体何がっ?(ひつこい)
平均病床数でみると、病床数が最多だった平成18年5月が159.5、直近の平成21年1月が162.1と、ほとんど変わってません。
複数の病院を統合して医療資源を集中する、いわゆる集約化やマグネットホスピタル化というのが進んだという感じでもないですね。病院・病床数が減った分だけ医療機能も減っているという感じです。



今度は、診療所の数。
こちらはずっと増加傾向です。でも、この1年は伸び悩み。

診療所数の推移(平成17年1月〜21年1月)



同じように、診療所病床数もグラフにしてみました。

診療所病床数の推移(平成17年1月〜21年1月)


診療所の数は増えているのに、病床は減ってます。
有床診療所が減って、無床診療所が増えているということかなと思います。
まあ、今時の医療政策下では、20床未満の病床のために入院設備を維持するのは採算性からも厳しいでしょうし、医療安全への要求も非常に高レベルになってますから、個人経営の診療所では、病床を持つ事はむしろリスクなのかもしれません。(勤務医経験しかないので、この辺りは想像です。)


こういう傾向にある理由は何だろう?と思う訳ですが、最近の報道メディアの主張では、臨床研修医制度が医療崩壊を招いたというストーリーがトレンドのようです。

  研修医制度開始
=>研修医が都市部の人気病院に集中
=>大学が医師不足
=>地方からの医師引き揚げ
=>医療崩壊

おおむね、こういうストーリーだと理解してます。

そこで、先ほどのグラフを遡って平成13年まで描き足してみました。
臨床研修医制度は、平成16年度から開始されているので、平成13,14,15年は研修医制度の影響はないはずです。


病院数の推移(平成13年3月〜21年1月)




診療所数の推移(平成13年3月〜21年1月)



研修医制度開始前からずーっと病院は減り続けてますね。

論点の単純化というのは、マスメディアの特徴で、不特定多数の購読者・視聴者に受け入れてもらうために簡略化、単純化したがるというのは、ある程度は理解できます。しかし、そのために他の原因、論点を覆い隠してしまうことがあると却って有害ですらあります。


こうしてグラフにして見ると、この国の医療機能というか基礎体力のようなものがドンドン落ちてるなあ、と感じます。

特に平成18年度からの病院数、病院病床数の減少が顕著です。
改めて平成18年度に行われた療養病床削減方針や、マイナス3.16%という過去最大の診療報酬マイナス改訂の威力を感じます。
平成16年度から始まった臨床研修医制度の影響がこのころから出始めたという可能性もあるでしょう。
また平成18年には、福島県や奈良県で、多くの勤務医を震撼させる出来事が続き、医師の集約化防衛医療とか萎縮医療を加速させる契機になったという話も聞きます。


状況は悪くなる一方に思えます。

更に今後、政府の方針では、
「公立病院改革ガイドライン」による自治体病院の経営黒字化要求(=病床減や無床化あるいは売却)だとか、2010年10月までの社会保険病院・厚生年金病院の売却(売れなかったら廃院?)だとか、2011年度からのレセプトのオンライン義務化(コスト負担に耐えられない診療所医師がこれを機に多数引退するという噂も)だとかが予定されてます。
年間2,200億円の社会保障費抑制も、本当に骨太方針2009で見直しがされるかどうか怪しいものだと感じています。
個人としては、政府の一貫した力強いメッセージを感じずにはおれません。

いわく、「さっさと潰れろ」と。