道、赤字補てんは8年 5市町村反発 再考要請へ
【紋別】道立紋別病院を紋別市など網走管内5市町村へ来年4月に移管するための協議会で、地元側が示した移管条件に対する道の回答内容が21日、分かった。焦点となっていた赤字補てんの機関などで地元の要望を満たしておらず、紋別市の宮川良一市長ら5市町村長は21日、対応を協議。回答を不服とし、道に再考を求めることで一致した。
道の回答によると、赤字補てんは地元が新病院完成後10年間を求めていたが、移管後8年間とした。新病院建設の全額道費負担については、道は一部にとどめる考えで、病床数も160床の要求に対して、100床程度とした。
また、移管後の病院の位置付けについて、地元側は高度な2次医療を担う「地域医療センター病院」とすることを要望したが、道から明らかな回答はなかった。
道立紋別病院の移管をめぐっては、道と5市町村が7月末までに基本合意を締結する予定だった。しかし、道が回答を先送りしていた。協議が難航していることから、来春の移管に向けた基本合意は厳しい状況となりつつある。
(2009年8月22日 北海道新聞)
どうやらこの記事によると、
- 10年間は道が赤字を全額負担せよ
- 病院は新築せよ。なお、建設費は全額道が負担せよ。
- 高度医療ができる病院にせよ。
- 病床数は160床
ということのようです。
2次医療施設にするにしては病床数160はいかにも中途半端で、赤字必須としか思えないのですが、赤字は道が負担しろという要求ですから、知ったこっちゃないんでしょうか。
(でも、仮に要求が満額通ったとして11年目からはどうするんでしょうか?)
で、満額回答しなかった道に対して、
道立紋別病院の移管、道の回答に、市長も議員も怒り心頭なかなかいい雰囲気が出てますね。ムシロ旗立てて一揆ですか。
道立紋別病院を紋別市など西紋5市町村に来年4月から移管しようとする問題で、西紋側が道に要望した移管条件に対する道の回答内容が25日、紋別市議会の道立紋別病院に関する特別委員会(柴田央委員長)に報告された。道による赤字補填は、西紋側が求めていた「移管後10年間にわたり全額」ではなく「8年間にわたり一部」とするなど、西紋側の要望していた条件を大幅に下回る内容だった。これを受け西紋5市町村の首長は道に対して再検討を求めることも報告された。市議会特別委の委員からは「我々は道に馬鹿にされているのか」「怒り心頭の内容だ」など驚きと憤怒の声が一斉にあがった。
鈴木敏弘委員は「あまりにも誠意のない回答。ムシロ旗を立ててでも道に乗りこむ気概がないとダメだ」と主張。宮川正己委員は「そもそも道立紋別を2次医療機関として再生させることを目的にしていたはず。160床から100床に縮小されているが、これは2次医療といえるのか」と質問した。
市側も「大変難しい問題だが、我々が現場の先生に聞いた範囲では100床の規模(とそれに見合う医師数)では2次医療・2次救急は難しいと聞いている」と答えた。
野村淳一委員は「ということは道は遠紋圏のなかでは遠軽厚生病院が完全な2次医療という考えか。紋別は1次医療に毛が生えた程度だけのものだとしか見えない。不愉快だ」と怒りを表した。
市側も「我々も2次医療・2次救急が保たれないなら、地域自ら(病院経営を)やる必要はないと考えている。2次の確保が絶対条件として今後も道と交渉する」と決意をにじませた。
宮川良一市長も発言し「私も非常に残念。道は地域医療をどう考えているのか。100床という規模は全くナンセンス」と語気を強め、今後も強い態度で道と交渉する姿勢を見せた。
(2009年8月26日 北海民友新聞)
委員の「遠軽厚生病院が完全な2次医療で、紋別は1次に毛が生えた程度」、「不愉快だ」発言なんかもいかにもな感じでいいですね。隣村と、どっちが立派な蔵を建てるかとか、メンツの張り合いではないと思うのですが。
こんな発言を聞いて、ここで医療を続けたいと思い続ける医療者がどれだけいるでしょうか。
で、市民の会が「黙ってられない」と行動に出ることを決めたそうです。
難航する道立紋別病院の移管協議〜市民の会「黙ってられない、行動の時だ」
道立紋別病院の医療機能等の充実を求める紋別市民の会(会長=知見喜美男紋別商工会議所会頭、市内22団体で構成)の幹事会が7日、紋別経済センターで開催され、難航している道立紋別病院の移管問題について、会として、市民的な運動を展開し道に対し早期の移管を訴えていくことを確認した。具体的な活動の方法は未定だが、署名活動も視野に入っている。
西紋5市町村が道立紋別病院を道から移管を受け、来年4月から新しい病院として運営していく問題は、西紋5市町村側が移管にあたって道から支援を受けようとする条件と、これに対する道からの回答の中身が大きく食い違っていて、交渉は暗礁に乗り上げている。
西紋5市町村側は道に対して13年間(移管を受けてから改築までの3年間+新病院完成後10年間)の赤字の全額補填を求めていたのに対して、道側の回答は8年間(改築までの3年間+改築後5年間)の赤字補填で、1年あたりの補填額に上限(4億4500万円)を設定した。
また新病院の建築費について西紋側は全額道の負担で、病床数は160床と提案したのに対して、道側は100床程度で、建築費は上限を設けて補助する考えを示した。
西紋側が求める高度な2次医療病院という位置付けについても、道は明確な文言を示していない。
全体として、2次医療機能を想定した病院かどうかは不透明で、財政面でも地元に大きな負担を強いる内容になっている。8月25日に開催された市議会の特別委員会でも、内容の報告を受けた市議側から道に対する強い不満や怒りが噴出。宮川市長も「(道の回答は)非常に残念。ナンセンスだ」などと述べた。
「市民の会」の幹事会には、市内の産業団体、町内会など市民各層の12団体から13人の代表が出席。
市側からは医療確保対策室の姫田潤市室長ら7人が出席し、これまでの経緯や西紋の提案と道の回答との、乖離(かいり)の程度などを説明した。
出席者側からは「道の回答は、地元の提案と乖離していることは分かったが、道が全部の提案を飲んでくれると本当に最初から考えていたのか。道の厳しい回答も見越して、次の手をあらかじめ考えておくのが、行政のプロではないか」と市側に対する厳しい声も出た。
(2009年9月9日 北海民友新聞)
どんな行動をされるのかなー、と思っていたのですが、先日の報道で行動内容が判明しました。
道立紋別病院問題、2次医療の確保求めて署名活動決定【紋別】
北海民友新聞 - 2009/09/14 12:32
道立紋別病院の医療機能の充実を求める市民の会(会長=知見喜美男紋別商工会議所会頭)は11日、紋別経済センターで正副会長会議を開催し、道立紋別病院について、2次医療機能と、圏域における救急の中心的な役割を果たすことを道に対して求める署名活動を行うことを正式に決めた。12日から順次市内各町内会長に署名用紙を配布し協力を求める。全市民を対象にし最低でも1万5000人程度の署名を集めたい考え。
7日開催された同会の幹事会で、なんらかの行動を起こすことを決め、具体的な中身は、正副会長会議に一任されていた。
署名の趣意書は、紋別市を含む西紋5市町村と北海道の間で行われている道立紋別病院の移管協議が難航している状況を挙げ「このままでは道立紋別病院の更なる医療機能の縮小による『地域医療の崩壊』が懸念」されることを強調。
「北海道病院事業改革プラン」に示されている道立紋別病院の位置づけが「地域の医療需要に対応し得る2次医療機能の確保」「圏域における救急・災害医療の中心的な役割を果たす」ことであることを挙げ「このことに最大限の努力を強く求める」としている。さらに「西紋別地域にとって唯一の2次医療センター病院である道立紋別病院に必要な常勤医師の確保や医療機能・サービスの充実、また地域医療の抱える問題解決への支援などを北海道へ要請する」としている。
署名は今月末までに取りまとめ、10月上旬に知見会長らが道を尋ね、道知事、道議会議長に署名を提出したい考え。
署名の対象には年齢の制限などを設けていない。
「市民の会」は商工会議所、農協、漁協、森林組合などの各産業界、文化、福祉、町内会の組織など22の団体で構成されているが、署名集めについては、ほぼ全市民を網羅している市町内会連絡協議会を中心的な窓口として進めていく。
(2009年9月14日 北海民友新聞)
アー、はいはい、署名ね。
まあ、年齢制限がないというのが目新しいかも。拇印でも構わなければ0歳から活動に参加できますね。
報道を介してしか状況が伺えないのですが、行政も、市民の会も「道」任せという姿勢がちらほらしてる感じがします。私の気のせいならいいのですけどね。
最後に、道立紋別病院とは直接関係はありませんが、明るいニュースなので載せておきます。
【キャンセル恐れず要請を】 ドクターヘリ導入を前に講演会
【紋別】道北ドクターヘリ運航調整研究会が主催する講演会が5日、紋別市文化会館で開かれた。旭川赤十字病院を基地病院として10月7日から遠紋管内を含む道北地域で運航が開始されるドクターヘリについて、専門の医師らが講演した。
ドクターヘリは医師や看護士を乗せて救急現場に向かい、現場から病院に搬送するまでの間、救命措置を行うことができる「空飛ぶ救急室」。運航は日中に限られているが、100キロ圏内を30分で搬送が可能。道北地域では縦300キロ、横200キロほどの範囲で56市町村が対象となっている。
講演では、2002年から道央圏での運航を行っている手稲渓仁会病院救命救急センター長の高橋功医師が「従来のシステムでは救われなかった命が救えるようになる」と強調。「ヘリでの搬送結果、患者が軽症であっても容認される」とも語り、キャンセルを恐れず素早い出動要請が重要であるとした。
また、旭川赤十字病院副院長の住田臣造医師は、年間の出動予想件数が300件ほどになるとの見通しを示したほか、同病院で今年7月にドクターヘリによる初搬送を行った際の映像も公開した。
(2009年9月9日 オホーツクオンライン)
不要不急の救急外来受診や救急車の利用を控えるように、自治体や医師会などが広報活動に努めている昨今、なんとも頼もしいお言葉ではありませんか。




