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2008年10月19日

ご破算で願いたい・・・

10月に保険料天引きがあったばかりのせいか、後期高齢者医療制度は、まだ関心が高いですね。
有病率の高い年齢層だけ集めて医療保険を作ったって、成り立つはずないでしょうけどねえ。例えれば、自動車事故を頻繁に繰り返す問題顧客だけの自動車保険を作るようなものですが、もしそんなのがあったとしたら、相当高額の掛け金でないと成り立たないでしょう。
あるいは、適応基準をめちゃくちゃ厳しくして、保険金がでないようにするか。
お国はどっちにするつもりなんでしょうかねえ。後期高齢者医療制度の保険料をさらに上げて行くのか、それとも、医療自体を受けさせないようにするのか。

えーと、そういうわけで、今回は、後期高齢者医療制度の保険料っていくらくらいなの?ってちょっと気になったので調べてみました。もう、知ってるよー、という人は読み飛ばしてくださいね。

参考サイトは、
札幌市「後期高齢者医療制度:保険料の計算について」
大阪府後期高齢者医療広域連合「平成20年度保険料試算」
東京都後期高齢者医療広域連合「長寿医療制度(後期高齢者医療制度)について」
あたり。

で、その保険料ですが、

保険料 = 均等割額 + 所得割額

というのが基本です。均等割額とか所得割額って何?ってなりますが、

均等割額:いうなれば基本保険料。被保険者全員から一律に同額を徴収する。額は各広域連合によって定められる。
所得割額所得に応じて決められる徴収分。所得、世帯構成によって変わる。

だそうです。所得割額については、もうちょっと説明が必要で、

所得割額 = (総所得額 − 基礎控除) x 所得割率

となっています。今年度の基礎控除は33万円です。所得割率は、各広域連合によって定められます。ちなみに、上の参考サイトだと、
     均等割額    所得割率
札幌市 4万3143円  9.63%
東京都 3万7800円  6.56%
大阪府 4万7415円  8.68%
となっています。結構、違いますね。

なんとなく、これで判ったような気もしますが、今度は、所得って何?というのがあります。ここでの所得というのは、確定申告をしたことのある方はご存じでしょうが、

所得 = 収入 − 各種控除
のことです。ただし、注意が要るのは、ここでの総所得額は、被保険者本人だけでなく、世帯主の所得も含むことです。つまり、

総所得額 = 被保険者本人の所得 + 世帯主の所得

となります。本人の所得だけでなく、家族の所得によっても負担金額が変わるというのがこの制度のポイントでしょう。合計されるのは、家族全員の所得ではなく、あくまで「世帯主の所得だけ」です。ここ、重要です。

まとめると、

保険料=均等割額+(被保険者本人の所得+世帯主の所得−基礎控除)x所得割率

となります。
東京都だと、
保険料=3万7800円+(被保険者本人の所得+世帯主の所得−33万円)x6.56%

これで、基本は合っていると思いますが、実際は更に面倒で、低所得者に対する軽減策や、世論の反発を受けての平成20〜21年度の暫定的な軽減策などが講じられてます。
特に、これまで、被用者保険の非扶養者だった対象者(例えば、長男が世帯主で、その健康保険の家族扱いだった場合とか)に対しては、
平成20年度 4〜9月:所得割額0円、均等割額0円
平成20年度10〜3月:所得割額0円、均等割額9割減
平成21年度     :所得割額0円、均等割額5割減
という大幅な軽減措置が取られています。この10月に天引きされて、「大した額でなかった」なんてホッとしている方は、平成22年度に呆然となるかもしれません。所得割額0円がなくなって100%適応になったらビックリするでしょう。

先の参考サイトからのリンク先に、東京都の保険料算定例があります。これ、面白いです。

一部引用すると、
 例1 :本人77歳 年金収入79万円
     =>保険料5400円
 例15:本人80歳 年金収入79万円,子55歳(世帯主)所得390万円
     =>保険料3万7800円

例1と例15は、被保険者の年収は同じなのに、負担する保険料は5400円と3万7800円と、7倍も違います。

 例12:夫80歳 年金収入167万円,妻77歳 年金収入100万円
     子50歳(世帯主)所得100万円,子の妻 所得なし
     =>夫の保険料3万7800円
 例13:夫80歳 年金収入167万円,妻77歳 年金収入100万円
     子50歳(世帯主)所得なし,子の妻 所得100万円
     =>夫の保険料5400円

例12と例13は、どっちも同居家族がいて、被保険者の年収も、世帯内家族を合わせた総年収も同じですが、保険料は、前者は3万7800円、後者は5400円と違います。

この差額の原因は、収入のある世帯主がいるかいないかです。例15は、子供が世帯主として同じ世帯にいるため、総所得額が増え、そのため軽減措置対象からはずれ保険料も増えてしまっています。
例12は、同様に世帯主に収入があるので、保険料がアップしてますが、例13は、世帯主に収入がなく、世帯主以外に収入があります。計算上、世帯主以外の所得は総所得額に加算されないので、例13では保険料は上がりません。

こういう制度設計だと、親と一緒に暮らすと、親の保険料負担が増えて、親の年収を減らしてしまいます。却って、親不孝なことになってしまいかねません。なんとも不思議な制度ではあります。離間の計っていうのでしょうか。保険制度を分離した上に、金銭的な葛藤を親子間にもたらし、世代間の対立を演出するとは、実に見事です。
目的がさっぱりわかりませんが、きっと深遠すぎて私には理解できないんだけなんでしょう。

この保険料負担増を回避する策は、思いつくところでは、2つあります。
1.親と世帯を分離する。
別居する必要はなく、同居のままでも世帯は分離できます。手続きは、窓口で短時間で済む簡単なものです。

2.世帯主を低所得者に変更する
世帯主は、「主としてその世帯の生計を維持している者、及びその世帯を代表する者として社会通念上妥当と認められる者」とされてますが、所得が一番ある者、という決まりはないので、3歳のちびっ子とかでなければ、認められるのではないでしょうか。



暫定軽減措置がなくなる平成22年度に保険料負担がどれくらいになるのか、私の親のケースで試算してみたんですが、やはり、私(=世帯主)の所得が所得割額にモロに影響してきて、

世帯分離しない場合:年間保険料 約25万円
世帯分離した場合 :年間保険料 約 5万円

という、とんでもない試算結果になってしまいました。
25万円って、私の親の年金収入の36%にもなるので、これはちょっとひどい。

ちなみに、介護保険料も世帯内家族に所得があると、本人負担額が増える仕組みになっています。こちらは、世帯主だけでなくて、世帯全員が対象です。
計算してみたら、わが家の場合、世帯分離すると今の半額くらいになるとわかりました。


政府や厚労省の深遠なお考えはさっぱりわかりませんが、やっぱりこの制度、一度ご破算にしたほうがいいんじゃないでしょうかね。修正とか継ぎ接ぎとかでなんとかなるようには思えないんですが。
でないと、一庶民としては、世帯分離しちゃうぞ、と。

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