救急病院が大幅減収、医療崩壊に拍車
今年4月の診療報酬改定で、「入院時医学管理加算」の要件が厳しくなったため、地域の救急医療を担ってきた医療機関の多くが同加算を算定できなくなっている。同加算の算定を継続できない場合、中核病院(300床規模)では、減収額が年間3000万-3500万円に上るとみられている。今回の改定で厚生労働省は「病院勤務医の支援」を打ち出したが、全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)などは「減収によって勤務医の過重労働は軽減されず、地域の救急医療体制の崩壊にも拍車を掛けている。新たな算定要件は早急に見直すべき」と訴えている。
(中略)
厚労省は当初、新たな要件を盛り込んでも150-170の病院が届け出ると見込んでいたが、88病院(7月1日現在)にとどまっていることが、小池晃参院議員(共産)の国会質問で明らかになっている
(中略)
小池議員はこのほど、質問主意書を提出し、新たな要件の見直しなどを求めたが、政府は答弁書で「新たな加算を算定できないことだけで、勤務医の過重労働に拍車が掛かるとは考えておらず、見直すことも考えていない」との見解を示している。
(2008年11月28日 CBニュース)
ほんの数年前まで、救急医療を担う医療施設には、種々の加算がありました。例えば、こんなのです。
- 紹介外来加算
- 紹介外来特別加算
- 急性期入院加算
- 急性期特定入院加算
救急を維持するのに必要な人件費、設備投資、エネルギーコストを賄うには十分ではないにしても、頑張るところには、それなりの評価をする、という面で、収益だけでなく地域病院のモチベーションも支えていたと思います。
ですが、これが、平成18年4月の診療報酬改定で、なんと全廃になりました。
努力して加算認定基準をクリアした病院は、さぞかしガッカリしたことでしょう。
この年の診療報酬改定では、診療報酬自体がマイナス3.16%という大幅引き下げでしたから、救急病院にとっては、コロニー落とし並の大ダメージだったと思います。「救急は赤字」と言われる所以です。
で、そういう前フリがあっての、今回の「入院時医学管理加算」の要件変更。
原本は、ここにありました。
中医協「平成20年度診療報酬改定における 主要改定項目について(案)」の16ページです。
本当に、「地域で中核となる病院に勤務する医師の負担軽減の評価」ってありますね。勤務医の負担軽減が目的なんだそうです。
で、その算定要件の詳細はこんな感じ。
1 特定機能病院・専門病院入院基本料を算定する病院以外の病院であることハードル高っ!
2 急性期医療を行うにつき十分な体制が整備されていること
(1) 産科、小児科、内科、整形外科及び脳神経外科に係る入院医療を提供していること
(2) 精神科による24時間対応が可能な体制が取られていること
3 病院勤務医の負担の軽減に資する体制が整備されていること
(1) 外来診療を縮小するための体制を確保していること
(2) 病院勤務医の負担の軽減に資する計画(例:医師・看護師等の業務分担、医師に対する医師事務作業補助体制、地域医療機関との連携体制、外来縮小計画等)を策定し、職員等に対して周知していること
(3) 特別な関係にある医療機関での勤務時間も含めて、勤務医の勤務時間を把握するとともに、勤務医負担の軽減及び医療安全の向上に資するための計画を策定し、職員等に対して周知していること(例:連続当直は行わないシフトを組むこと、当直後の通常勤務について配慮すること等)
4 急性期医療に係る実績を相当程度有していること
入院患者のうち、全身麻酔件数が年800件以上であること 等
※ 既存の入院時医学管理加算の要件は廃止する
もう、これは、「救急医療から撤退しなさい」という婉曲的メッセージなのかもしれません。
救急をやめれば、確かに病院勤務医の負担は減るでしょうけどねえ。そういう意味での支援策なんでしょうか。
ただ、地域医療支援病院の認定を受けている施設にとっては、
救急やめる
=>認定加算無くなる
=>収益悪化
=>病院無くなる
かもしれないので、タイミングが難しいでしょうね。
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